私たちの体の中を流れている血液には、いろいろな成分が含まれて
います。
血液の中に含まれる、ヘモグロビンという成分は赤血球の中にある
赤い色素のことで、タンパク質です。体内でいろいろな器官に酸素を
運ぶ、というとても大切な役割を果たしています。
体内の二酸化炭素の排出もまた、このヘモグロビンのはたらき・性質
によって行われています。
赤い色素なので血色素(けっしきそ)とも呼ばれています。
平均値や低い時の症状・対策を学んでいきましょう!
平均値は?
ヘモグロビンの平均値(基準値)は、男性で13,1~16,6g/dl
女性で12,1~14,6g/dlです。
妊娠中の女性やお年寄り、子どもは低い傾向になります。
あなたの数値はどのくらいでしたか?
低いとどうなる?出てくる症状
ヘモグロビンが低いと、さまざまな不快な症状が現れます。
どうき・息切れ
最初にも言いましたが、ヘモグロビンは体内の各所に酸素を運ぶ
大事な役割をしています。ヘモグロビンが少ないと、酸素の運搬
が十分に行われません。
すると体が最低限の機能を維持しようと、ヘモグロビンが少ない
ながらも運んだ酸素を急ピッチで行き渡らせようと、血流を上げます。
そして、どうきが起こります。
また、酸素不足を補おうと多くの酸素を呼吸によって取ろうとする
ので、呼吸が上がって息切れしやすくなる、というわけなんです。
だるさ・疲労感
体内の細胞が酸素不足になると、疲れやだるさを感じやすくなります。
また、上記でも述べましたが最低限の機能を維持するため、血流が上がる
ので、脈拍が上昇します。すると、体に負担となって結果疲労感やだるさ
となってしまいます。
めまい・たちくらみ
脳は、たくさんの酸素を必要とする臓器のひとつです。
脳においても酸素不足は深刻な問題で、ヘモグロビンが少ないと脳に十分
酸素が届かずに、めまいや立ちくらみの症状を起こします。
血色が悪くなる
ヘモグロビンは、血流に乗って全身をまわっています。赤い色素も持って
巡っているので、十分なヘモグロビンのある人は顔色が良いです。
反対に、ヘモグロビンが少ないと青白いような顔色になってしまいます。
この症状は、顔以外にも爪や口唇などにも起こります。ひどいときは
全身の皮膚にも及んでしまいます。
ここまでの症状をまとめると、「貧血」
細かいタイプや原因はさまざまありますが、「ヘモグロビンの不足=貧血」
といってもいいでしょう。
上記にあげた症状は、貧血のときに起こる症状です。貧血は、体内の酸素不足
ということになります。
貧血状態では元気に活動できません。対策が必要です!
貧血になりやすいという人は鉄分を多めに摂る食事を意識して
ヘモグロビンの原料は、鉄分です。ヘモグロビンの低い人は鉄分を十分摂取
することが重要です。
鉄分には、2種類あります。ヘム鉄と非ヘム鉄です。ヘム鉄は、肉や魚などの
動物性の食品に含まれる鉄分で、非ヘム鉄は野菜や海藻、乳製品や豆製品の
植物性の食品に含まれる鉄分です。
ヘム鉄の方が、体内で吸収されやすいです。多く含まれる食品は、レバーや
赤身の肉、シジミなどの貝類です。
非ヘム鉄の方は、のりやヒジキ、小松菜やホウレン草、ゴマなどです。
ビタミンCは、体内で鉄分の吸収を助けてくれる作用があります。一緒に
摂取すると、よりよく摂ることができます。ビタミンCの多い食品は
レモンやオレンジなどの柑橘類、ピーマン、アスパラガスやブロッコリーなどです。
サプリメントでの摂取も効果的です。
貧血の症状のある方は、これらの食品を積極的に摂りましょう!
まとめ
鉄分不足になると、貧血だけでなくだるさや疲労感からうつや睡眠障害と
いった精神症状を引き起こすこともあります。こうなってしまう前に
早めの対策が重要です。
体内で酸素を運ぶという大切な「ヘモグロビン」を減らさないように気を
つけましょう!!